年齢を重ねるにつれて汗をかくようになったり、汗の臭いが気になり始めたなんてことありませんか?
男性は中年にさしかかったあたりから「加齢臭」が気になり始めますが、実は女性にも更年期に近付くにつれて、特に顔や上半身に汗をかくようになり、若い頃とは臭いも変わってくるようです。
今回は年齢的な汗の原因や対策についてご紹介したいと思います。
40代から汗が多くなるのはなぜ?
女性の身体は閉経を迎える40代~50代にかけて「更年期」に入ります。年齢は人それぞれですが、最近は30代でも更年期の症状が出る「若年性更年期」や、更年期に入る少し前に症状が出る「プレ更年期」なども増えていると言われていますね。
更年期に入る頃から卵巣機能が弱まってくるので、女性ホルモンの分泌が急激に減少します。それを感知した脳は、女性ホルモンである「エストロゲン」を分泌しようと、卵巣刺激ホルモンを出しますが、効果はなかなか現れず卵巣刺激ホルモンばかりが増加する結果となり、ホルモンのバランスが崩れてしまいます。この時同時に甲状腺ホルモンやアドレナリンも一緒に分泌されるので、血管を縮めたり、熱を上げたり、汗が出ますが、これが更年期によるのぼせやほてり、発汗の原因となっているでしょう。
発汗の種類
精神的な発汗
汗が出る腺である「エクリン腺」は全身にありますが、特に頭部や顔はエクリン腺の密度が高い部位であり、精神的な発汗が起こりやすいと言えます。
多くの女性は更年期を迎えることをストレスに感じる場合が多いので、それが自律神経を刺激して精神的な発汗を発症するのでしょう。自律神経は発汗の調整や血管の拡張・収縮をコントロールしているので、乱れてしまうと血行が悪くなったり、血圧が上がったり、体温が上がるという影響が出てきます。
病気の場合もあり
更年期とは関係なく、甲状腺や糖尿病が原因で顔の発汗が増える場合も考えられます。
気になる場合は病院で検査を受けてみるのもオススメですよ。
ホットフラッシュ
更年期独特の症状の1つに「多汗症」を発症する場合があり、一時的に頭や上半身がカーッと熱くなり汗が止まらなくなってしまう症状は「ホットフラッシュ」と呼ばれています。これは更年期の症状が出始めた女性の8割が経験する症状で、ひどい場合は寝汗がひどく、不快感で目が覚めてしまうという人もいるようですね。
20代~30代の頃も子育てや人間関係などで悩みはありますが、更年期に入ると子育てはひと段落つくものの、今度は自身の両親や配偶者の健康状態などが気になるようになり、それに加えて子供の進学や学費の問題などの心労が増える時期です。
そのようなことが原因で昔とはまた違った意味で精神状態が不安定になる人もいるので、ちょっとしたストレスを感じた時にもカーッと身体がほてりだし、汗が出てきてしまうのでしょう。
ホットフラッシュの汗は通常と違う?
運動した時に出るサラッとした汗に比べて、ホットフラッシュの時にかく汗は、ベタベタとして臭いもあり、あまり良くない汗です。
血行が悪くなっているので仕方がありませんが、誰かと一緒にいる時に急に汗が出始めたら困ってしまいますよね。さらに視線が気になって恥ずかしくなり、余計に汗が出てきたりする場合もあります。
心配な方は汗かきの悩みを解消するサプリメントや、制汗剤を持ち歩くのがオススメですよ。
ホットフラッシュに効果的な成分「エクオール」
更年期には女性ホルモン「エストロゲン」が減少しますが、「エクオール」はエストロゲンと似た働きをする成分なので、発汗を始め更年期特有ののぼせ、ほてり、発汗といった症状を緩和してくれる成分です。処方される薬ではなくサプリメントになりますが、ホルモン治療とあまり変わらない効果が期待できると話題になっていますよ。
汗を対策する方法①:食生活
更年期障害の症状を緩和するのに効果的な食べ物は「イソフラボン」が含まれている食べ物です。「イソフラボン」は前出の「エクオール」と同じく「エストロゲン」とよく似た働きをする成分なので、更年期の症状を軽減する効果があります。しかしたまに食べるだけではあまり効果が期待できないので、出来れば毎日の食生活に納豆や豆腐などの大豆製品を取り入れるのが理想的ですよ。
また身体を冷やす食べ物も血行不良の原因となるので避けたいですね。砂糖やカフェインを含んだモノや、生野菜、インスタント食品は控えて、身体を温める効果のある食べ物を中心とした食生活に切り替えてみましょう。
汗を対策する方法②:適度な運動
発汗の原因は自律神経が乱れることもあるので、自律神経を活発にして整えることも対策法となります。
簡単に自律神経を整えるには適度な運動が一番です。ジョギングやジムに行ってガッツリ運動するのではなく、ウォーキングなど自分にとって負担にならないような運動で十分ですが、大切なのは継続することです。電車通勤の場合は毎日1駅分歩くようにしたり、自転車通勤にしたり、犬の散歩なども毎日習慣的に行うので良いですね。少なくとも週に3日、20分~30分程度の運動を続けるようにしましょう。
リラックス効果もあってオススメなのが「ヨガ」です。自己流でも良いですが、ヨガ教室に通ったり、最近は「朝活」として出勤前にヨガを行う女性も増えているようですよ。
汗を対策する方法③:入浴
汗を抑えるだけが対策とは限りません。逆に良い汗を沢山出すことで、更年期の汗を抑制するのも効果的です。
入浴することで血行が良くなるので、良い汗をたっぷり出すことができますよね。また誰にも邪魔されない空間なのでゆっくりと1人でリラックスすることができます。となれば血行不良を改善するのと、自律神経を整えて精神的な汗を抑制するという両方の効果があると言えるでしょう。
朝入浴すると言う人もいますが、更年期の発汗による臭いが気になるという方は夜の入浴がオススメです。日中に活動することで体内には「乳酸」が溜まり、それが増加することによって汗の臭いの元である「アンモニア」も増加してしまいます。入浴することによって血液の循環が良くなるので、乳酸を減らしてくれますが、その状態で寝ることで体臭が軽減されるという効果があるでしょう。
汗を対策する方法④:下半身を温める
汗をかいているのに温めたら逆効果じゃないの?!と思われるでしょうが、更年期の症状であるのぼせによってカーッと顔が熱くなった時は、冷たいモノを飲んだり頭を冷やしたりするのが逆効果になるんです。そもそも「のぼせ」は冷え性の一種なので、冷えを改善することで治まります。入浴もそうですが、生姜紅茶やココアなど身体を温める飲み物を飲んだり、下半身を温めたりして血行を良くすれば改善されますよ。
そこでオススメなのが「腹巻き」です。お腹を冷やすと熱が上に上がるので、特にお腹は冷やさないようにする必要がありますが、インナーとして腹巻きを着用して出掛ければ安心ですね。
更年期による汗の原因を知って自分なりの対策で乗り切ろう!
女性であれば誰にでも訪れる更年期ですが、その症状は人によって違いがあり、軽い人もいればもちろん重い人もいます。
その違いには精神的なことも大きく関係しているので、普段からストレスを溜めないようにすることは非常に大切です。また規則正しい生活やバランスの取れた食生活など、健康的な生活を送ることで更年期による発汗も予防できるので、是非今からご紹介したような対策法を行って、きたるべき更年期に備えて下さいね。
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